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それ、僕が図解します。

世の中のビジネスモデルやいろんなものの複雑な仕組みを、できるだけわかりやすく説明してみたいと思います。主な話題はネットビジネス、不動産、オタクネタ、時事ネタなど。中途半端な説明や、図を使ってないものもあるかもしれませんが、温かい気持ちでお許しください。

Yahoo!のショッピング手数料無料化で何が起こるか?

Yahoo!がショッピングとヤフオク!での出品手数料その他を一切無料化しました。

参考リンク プレスリリース Yahoo!ショッピング eコマース革命

その結果何が起こるかを考えてみました。

  1. 小規模ショップの収益性が大幅に改善

    f:id:rick08:20131007194816p:plain売上80万円~100万円程度の小規模ショップの収益性が大幅にアップします。このぐらいの売り上げのショップだと、リアルな店舗があって、ついでにECもやっている、というのがほとんどのはず。そのためにわざわざ人を雇うところまではできませんでした。ロイヤルティ・固定費が減ることで、午前中だけのパートさんだけとかなら雇える程度の改善効果があります。そうすると、より「EC頑張ろう」、という気になるのではないでしょうか。

  2. リスティング広告の競争が激しくなる
    モノを売ろうとする人が増えるわけですが、ほっといただけで売れるわけではありません。売り始めた人がぱっと思いつくのが広告でしょう。ということで、簡単に出せるリスティング広告の単価が上がるのではないかと思います。

  3. 商品の単価が下がる
    自分だけしか売れないもの、というのは世の中なかなかないものです。同じものを売る人が増えたとき、売り手が考える手段が「単価を下げる」ことです。今回コストが下がった部分を値下げに充てられるでしょう。カカクコムの最安値店舗はほとんどYahoo!ショッピングの店舗になるかもしれません。

    ただし、この効果は限定的です。なぜなら、こういう手段は割と仕入れの少ない小さな店が取りがちです。大量仕入れできる店舗は、仕入れ値が低く、価格競争には強いからです。一方、そういった大きな店は安易な値下げではなく違う戦略を取ると考えられます。

  4. 囲い込み戦略の進化
    大きな店はブランドの強化や囲い込み戦略の強化をします。単なるポイントサービスだけではなく、ロイヤルカスタマーには贈り物をしたりとか、いろんな囲い込み戦略が進化するんじゃないかと思います。

  5. アフィリエイトやドロップシッピング
    売り手が増えると、アフィリエイトが増えてきます。経費が減ることで、アフィリエイトにかけられる金額が増え、伸びると思われます。また、固定費がゼロになることから、売れてから発注する、ドロップシッピングのような店舗も増えるのではないでしょうか。

  6. ブランド品の偽物摘発
    ブランドバッグのようなぜいたく品は安ければ急いでなかったりするので、一週間ぐらいなら待てます。なので、注文がはいってから中国の倉庫に連絡してEMSで自宅に直接送り届ける、なんてこともできます。

    いままではブランド品などを取り扱うには審査が必要で、偽物を取り扱うリスクのほうが高かったですが、出店コストがなくなることで、店をつぶして、また新しい店を始める、といったことが容易になります。

    ただ、それらの取引量が増えてくると摘発方法も進化しますので、結果的に偽物摘発がふえるのではないかと思います。

  7. 楽天市場の出店手数料
    楽天の手数料の出店手数料は現在19,800円/月(年払い)+売上の3.5%が最低ラインです。(こちら http://www.rakuten.co.jp/ec/plan/

    f:id:rick08:20131007194817p:plain

    ちょうどシミュレーションがありますが、「がんばれプラン」の場合、月商100万円の時の手数料が107,200円になります。Yahoo!だと決済手数料だけの35,000円なので、収益に与えるインパクトは大きいです。(概算です)

    一体、楽天全体でどのぐらい出店手数料による売上があるのでしょうか。

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    楽天市場の開示資料によれば、「楽天市場」からの売り上げが2012年1Q~4Qの合計で1,132億円あります。この売上の何割かが出店手数料で、何割かが広告費でしょう。開示資料からはその内訳まではわかりませんでした。何割かにせよ、無料化するとインパクト大きそうです。

とりあえず、思いつく限りを並べてみました。

いずれにしても「無料」はインパクトあります。これをきっかけに日本のEC化率がグングン上がっていくことを期待したいです。

(追記) 楽天がもし出店手数料無料化に追随しなかったらどうなるか、というと、Yahoo!と楽天の両方に出店している大手店舗は、広告の軸足をより利益率のいいYahoo!に移して行くことになり、楽天の広告収益は漸減します。追随したら出店料という座布団収益を失います。いずれにしても試練の時ですね。