それ、僕が図解します。

世の中のビジネスモデルやいろんなものの複雑な仕組みを、できるだけわかりやすく説明してみたいと思います。主な話題はネットビジネス、不動産、オタクネタ、時事ネタなど。中途半端な説明や、図を使ってないものもあるかもしれませんが、温かい気持ちでお許しください。

米軍駐留費用を「日本が全額支払うべき」なのか?

 ドナルド・トランプ氏が「日本は防衛費を全額負担すべき」という主張をしています。まあ、日本はアメリカに守ってもらっているわけですから、それはそうかもしれません。 

 一方で、先日、日韓の米軍基地コストについて、とても分かりやすい記事がWEB版のWall Street Journalに出ているのを教えていただきました。早速、日本語訳もされています。(有料記事) 

 この内容を参考にしつつ、ちょっとまとめ直してみました。

アメリカが日本に駐留するのにいくら必要なのか?

 武器弾薬なんかの装備のお金に加えて、米軍関係者が約9万6,800人、さらに、日本人2万5,500人が事務員、消防士、医師などとして働いているそうです。これらの人件費と、基地の使用コスト、近隣の騒音対策費用などなどで合計年間102億ドルほどかかります。ざっくり1兆1千億円ほど。

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 うち、米国が負担しているのが55億ドル、日本が負担しているのが57億ドルです。更に、日本は、グアム移転費用など、ときどき追加コストも負担しています。

アメリカにとって日本の軍事費はどれほどのものか?

 アメリカの軍事費の総額は5,830億ドルだそうです(2017会計年度)。なんと日本円換算で64兆円!日本の軍事費の13年分!!これを毎年使ってるとか、勝てる気がしない。。。

 そのうち、在日米軍の年間費用は55億ドルは軍事費全体の0.94%にあたります。

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 小さくはない金額ですが、軍事費全体として見た時には、大統領候補がわざわざ言及するほどのボリュームではないような気がします。

 この馬鹿でかい軍事費を支える米国債も日本はせっせと買ってますしね。年間100億ドル以上も(年による)。

日本は金だけ出してる?

 これまでは、日本は国境の中でしか戦えなかったのを、去年、すったもんだの挙句、自衛隊が日本の国境の外で戦えるようになったのです。

 在日米軍を支援している金額だけではなく、日本が自衛隊を維持するためのお金も、隊員の身の危険も、日米同盟に拠出しているようなものです。ちなみに日本の国防費は5兆円。約450億ドルです。

 集団的自衛権については、同盟国である日本国内で大変な議論になったわけですから、アメリカの方々にぜひ知っておいてもらいたいところです。ほぼ一言で説明済みますし。

そもそも、在日米軍はなんのためにいるのか?

 日本が他国から攻撃を受けないように、受けた時もすぐに反撃できるように。だけではなく、日本を拠点にして、さらに遠くに行くためでもあります。ハワイより東にある米軍の弾薬庫で最大のものは日本にあるそうです。日本より東で戦うときには重要な中継地点になるわけです。つまり、日本の平和、というより、この辺地域一帯の平和です。

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 有名な「逆さ地図」です。日本列島〜沖縄のあたりがなくなると、アメリカにとっては、「太平洋に大きな穴が開く」という感じになります。だからこその「同盟」なわけですね。

 ともかく、冒頭のウォール・ストリート・ジャーナルの記事には他にも興味深い内容がわかりやすくまとめてあるので興味がある方はぜひ読んでみてください。

 英語版は無料で読めるみたいなので、大統領候補であるトランプ氏、ヒラリー氏にはぜひプリントアウトして送りつけたいです。 http://www.wsj.com/articles/q-a-how-much-do-u-s-military-bases-in-japan-and-korea-cost-1461822624