本を読むのが得意な人、苦手な人がいます。苦手な人に本を読む時にどうやっているか聞くと、「やっぱりなー」と思うことがあったので、まとめたいと思います。
なお、これは、ビジネス書やマニュアルその他実用書に関する話であって、小説などはもちろんこの限りではありません。本は早く読めばいいというものでもないので。
読書が苦手な人は「目次・まえがきを読まない」
本を作るときは、普通、目次から作ります。筆者が言いたいことが一番コンパクトに纏められているのはまさに「まえがき・目次」なので、ここは最低3回読みましょう。それで、その本に何が書かれているかを想像するのです。僕にとって読む作業は「答え合わせ」の感覚です。
読書が苦手な人は「最初から読もうとする」
目次を読んだら、次に、自分にとってその中のどこが一番面白そうか?を決め、他の章はすっとばして、まずは面白いところに直行します。そこからその直前・直後の章へ移動するといった形で「読み広げ」ていくのが自分にとって必要な知識を早く楽しく得る方法だと思います。
読書が苦手な人は「全部読もうとする」
とにかく辛抱して、全部読もうとします。面白そうと思ったところに直行して読んだ場合、仮にそこがおもしろくなかったとしたら、その本は面白く無いか、その本が自分にとってまだ早い、ということです。いずれにせよ、それ以上その本を読む意味はあまりありません。その本のことは一旦忘れて、今の自分にとってより有益な本を探しましょう。
読書が苦手な人は「2回読まない」
1回めは自分の好きなように読みますが、どちらかというと「ざっと目を通す」に近い読み方になります。それで大まかな内容を頭にいれたら、今度は前から順番に精読していきます。このときは付箋を貼ったり、ラインを引いたり、メモを取ったり、と、丁寧に読みます。全体を俯瞰した内容が頭に入っているから、この作業も無駄なくやることが出来ます。丁寧に読んでおくと、次は目次を見ただけで、どんな内容が書いてあったか思い出せるようになり、3回め、4回めの読みを効率的にできます。
読書が苦手な人は「『参考文献』を見ない」
本は先人達の知恵の結晶です。今、新たに出される本は、ほとんどがベースに何らかの知識体系があります。それが記載されているのが「参考文献」です。「参考文献」のない本は、フィクションか、自叙伝か、霊が降臨して書いたようなものです。
しっかり参考文献を確認し、できればその中の数冊は読みましょう。全く関係性の無い本をいろいろ読むより、参考文献つながりで読んでいくほうが意味がわかるのが早く、深くなります。
読書が苦手な人におすすめの読み方
上記に書いた「読書が苦手な人にありがちなこと」の反対をまとめると、こんなかんじの読み方になります。
- まず「まえがき・目次」を熟読
- 一番オモシロそうなところに直行
- その回りを読み広げていく
- 参考文献をチェックする
- 2回めは最初から精読する
と、いう感じです。読書が得意な人がみんなこの読み方をしているわけではありません。苦手だけど、本を読んで理解するスピードを上げたい、と思っている人はぜひ一度試してみてください。
このエントリーの参考文献
とはいえ、本を手にとって、まえがきと目次を読み、しっかりと考えた上で、「これは最初から読もう」という本もあります。面倒な能書きが一切なさそうな本、順序立てて説明している本、最初から最後まで面白そうな本。
例えばこの本。すでに古典ですが、何度読んでも発見があります。読むと、頭の中がスッキリした気がします。実は上の図もこの本に出てきた図に着想して書いてたりします。
読書するときもその本のイシューは何かを考えてから読むのがいいんじゃないかな、と思っています。