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それ、僕が図解します。

世の中のビジネスモデルやいろんなものの複雑な仕組みを、できるだけわかりやすく説明してみたいと思います。主な話題はネットビジネス、不動産、オタクネタ、時事ネタなど。中途半端な説明や、図を使ってないものもあるかもしれませんが、温かい気持ちでお許しください。

篠山紀信さんの写真展「快楽の館」に行ってきました。

行ってきた 図解します オタクネタ

篠山紀信さんの写真展「快楽の館」に行ってきました。

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これは、東京都品川区にある「原美術館」で撮影した写真を、写真を撮ったその場所でそのまま展示する、というものです。そもそも原美術館は、戦前に個人宅として建てられた、とても雰囲気のある洋館です。そこに美しいヌードモデルを30人も呼んで撮影した、というイベントで、開催前から話題になっていました。

撮影した場所に、撮影した写真が置いてある意味

館内は撮影ができないのですが、屋外はできそうだったので、その様子を。こんな感じで、撮った写真を、撮った写真をその場所に置いています。

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右の写真が左のような感じで置いてあります。はじめ、写真と気付かず、そこに人がいるのかとちょっとドキッとしました。

実際に撮影された場所なので、いろいろと想像が膨らみます。「ああ、ここで裸で寝てたんだ」とか「こんな空間に入るなんて、モデルさんちっさい!」とか「これ、どうやって撮影したんだろう」とか「ここにこのモデルさんがいたら、自分はこんなふうに撮れるだろうか?(いや、無理だ)」とか。

このページに幾つか写真が掲載されています。

http://www.art-it.asia/u/HaraMuseum/IoXcFNSpLejTadmKb86i
(※リンク先にはヌード画像があります)

「(左):森村泰昌の常設展示作品と」と書いてある写真があります。

ガラス張りのトイレの中で撮影されているのですが、これ、カメラマン自身が映らないように写真撮るの、角度的に結構たいへんです。実際に行って、そこでしゃがんでみると「ああ、ここでこう撮ったら自分映らないね」というのがわかります。このトイレそのものは原美術館の常設展示なので、機会が有る方はぜひ確認してみてくだだい。

僕は年に数回、写真展に行きますが、撮影シチュエーションや被写体がこれほど限定されたものはなかったので、とても勉強になりました。これからグラビア写真を見る目が変わりそうです。

篠山紀信さんのプロデュース能力

それにしても、今回すごいなと思ったのは篠山紀信さんの写真家としての能力です。
正直、普段グラビアとかで見てる分にはそんなに好きな写真家さんでもなかったのですが、見方が変わりました。

何がすごいかというとプロデュース能力です。今回、モデルさんは30人登場しましたが、壇蜜さんや矢吹春奈さん、紗倉まなさんといった人気のモデルさんが多数含まれています。これだけ集めて写真を撮るのがまずひと仕事だな、と。
原美術館という場所。今回は、展示会の会期の合間の僅かな時間を使って撮ったらしいのですが、それにモデルさんのスケジュールを合わせたりと、結構準備がいると思うのです。撮影時間もそんなに長く取れないし。

また、「撮った場所に展示する」という展示会の性質上、巡回できません。なので、今回の会期で上がる収益と、図録の販売収益で全部回収しないといけません。どのぐらい人数が来るか、どのぐらい図録が売れるか、結構難しい読みが必要で、その読みを周囲の人に説明して、モデルさんを集めたり、美術館や関係者を口説いていかないといけないわけです。

篠山紀信さんぐらいの大御所になると、そんな大変なことじゃないのかもしれないし、人数もある程度読めるのかもしれないですが、それにしても、読みきれない部分はあったんじゃないかなと。会場で図録は売り切れてましたし、結果的には大成功だったのだと思います。

プロ写真家に必要な能力とは?

僕は写真を撮るのはそこそこ好きなほうですが、写真家になろうと思ったことは一度もありません。結構大変そうだし。ただ、知り合いに何人かプロの写真家がいるのですが、ちゃんとやると収入は同年代のサラリーマンよりも全然高いようです。被写体にもよるのかもしれませんが。

写真家になる学校はあります。プロの弟子になって独立を狙う、というルートもある程度確立はされているようです。ただ、それでも、名の通った写真家になるのは結構大変そうです。

なんとなく、こんな感じのスキルがいるんじゃないかなあ、と。

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  • 技術力
    ピント・露出といった基本的な撮影の技術はもちろん、最近だとデジタル技術の習得も必須です。今回の作品展でも明らかにデジタル合成した写真がいくつかありました。合成技術がすごく高いのでパッと見全然わからないです。柱の数が違ってたりするのでようやく分かる、みたいな。ご自身でやってないにしても、どう合成するかイメージをもって撮影する必要あります。
  • コミュニケーション能力
    モデルさんとのコミュニケーション能力だけではなく、仕事として継続していくためには必須な能力かと。例えば水中写真家さんなんかでも、コミュニケーション能力高くないと、奇跡の一枚のスポットにたどり着けない気がします。
  • 審美眼・センス
    「このシチュエーションでどう撮影するか」「このモデルをどう見せるか」といった演出能力「見た人はどう感じるか」という想像力、「時代に求められてるのはどんな絵か」といったセンスなんかが必要なんだろうなと。
  • プロデュース能力
    上記にも書きましたが、ビジネスとして組み立てる能力も必要なんだと思います。ルーク・オザワさんという飛行機の写真の第一人者がいます。「どうやったらこんなの撮れるんだ」と本当に驚くような、でも、パッと見すごく自然な写真を撮影していらっしゃるのですが、飛行機の写真を撮影するだけで、どうやってご飯を食べているのかさっぱり想像できません。戦争写真撮る人とかも、渡航能力を稼げないとそもそも現地に行けませんし。

被写体や専門によって必要な能力やスキルに濃淡はあると思いますし、お金の稼ぎ方も違うはずですが、そのバランスのとり方含めて、プロのカメラマンになるのは本当に大変そうです。実際、円の重なってるところすごい小さいし。憧れるけど、まったくなろうと思わない(なれる気がしない)仕事だなあと感じるわけです。

 

自分がプロの写真家なわけではないので、あくまで想像にすぎないのですが、そんなことを色々と思い巡らしてしまうぐらい、いい展覧会でした。写真家の人たちのコメントも聞いてみたいです。

それにしても、写真のポスターもパネルも、絵葉書すら売ってないの残念でした。大好きな松岡ちなさんの写真がいっぱいあったので欲しかったのですが。

まあ、会期の終わった展覧会のレポートを書くほど野暮でセンスが無いこともないですよね。精進します。

rick08.hatenablog.com