それ、僕が図解します。

世の中のビジネスモデルやいろんなものの複雑な仕組みを、できるだけわかりやすく説明してみたいと思います。主な話題はネットビジネス、不動産、オタクネタ、時事ネタなど。中途半端な説明や、図を使ってないものもあるかもしれませんが、温かい気持ちでお許しください。

COMSAとは? ー ICOが容易になるかもしれない期待のプラットフォーム ー

2017年8月3日、テックビューロ株式会社より、ブロックチェーン技術を活用するためのプラットフォームです。なんとまだサービスが始まっていないのに、初日に1万人も登録があったということで、大きな話題になっています。

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トークンセール(ICO)とは「書き込めるお札」のこと

まず、トークンとは何か?を説明します。
これは、「書き込めるお札」です。

普通、お札に名前は書いていないので、お札はお札です。1万円札なら、1万円の価値があります。

ところが、お札にある言葉を書き込んだとします。
たとえば、新垣結衣さん

www.instagram.com

が、1万円札にこんなサインをしたとします。

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この1万円札を持ってきたら、必ずキスしてくれる、とすると、この1万円札はいったいいくらの価値になるでしょうか?

価値を感じない人にとってはこれは1万円札のままで使えるわけですが、もしこのお札が取引されるとしたら、とても1万円ではすみません。

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これを持っていくと、キスが出来る、と。

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こんな風に、お札に文字を書き込んで発行することを『トークンセール』と言います。

つまり、COMSAとは、新垣さんとキスができるかもしれない仕組み、ということです。どれぐらいすごいことか分かって頂けたと思います。

 

 さて、このお札と、「書き込まれた部分」を分離することができます。

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この、お札に書き込まれた部分のことを「トークン」と呼びます。通貨と、トークンをプログラムによって強力に紐付けする(ペッグする、という)ことができるというのが、通常の通貨と違う、仮想通貨の大きな利点なのです。

本当にキスしてくれるのか?「スマートコントラクト」

もちろん、実際に新垣さんがキスをしてくれるかどうかの保証はありません。実際に約束を守ってくれたかどうか、そういったことも、トークンには書き込むことができ、さらにその履歴がブロックチェーンのネットワーク上に残り、参照できるようになります。信用情報が残る、ということです。

あるいは、プログラムとして、「特定の条件を満たす場合、これを実行する」といった条件を付けることも出来ます。時間きっかけでもいいですし、持っている量、とかでもいいですし、いろんな条件をつけることができます。※ただし、イケメンに限る、とか。

このように、条件を指定し、自動的に実行できるようにすることを「スマートコントラクト」といいます。コントラクト、とは「契約」のことなので、賢い契約、ということですね。

このトークンを売り出すことをトークンセールといい、初めて公に売り出しをすることをICO(Initial Coin Offering)というわけです。

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世界中では数年前から大きな話題になっており、今年も5月にMobileGoというゲームプラットフォーム企画が日本円にして約58億円を調達したことで話題になりました。海外ではこういった事例がすでに行われているのですが、実は、仮想通貨には国境がありません。当然日本人で買った人も沢山いたはずです。

COMSAの活用によって、トークンの売り出し、流通が簡単になる(らしい)

このように、短期間に大きな金額を調達することができるトークンセールですが、実際に実施するには、スマートコントラクトの構築や、ブロックチェーンによる仮想通貨との接続といった開発が必要でした。

COMSAを活用することによって、トークン発行周りの仕組みがきれいに整備され、一般企業がICOを容易に実施する環境が整います。その点で、このプラットフォームは非常に画期的であり、日本の資本市場を大きく変える可能性を秘めているといえます。

数十年後は、トークンによる財物・サービスのやり取りがかなり大きな割合を占めているでしょう。我々は、全く新しいお札が発行される現場に立ち会っているのかもしれません。

なお、米国証券取引委員会(SEC)は、条件によってはトークンを有価証券とみなす、と表明しています(https://www.sec.gov/news/press-release/2017-131)。仮想通貨を用いたトークンセールは国境に関係なく世界中から資金調達を出来ることがメリットなのですが、一部の国では有価証券となる、などの制約があると、そのメリットが薄れます。

日本でも2017年4月から仮想通貨取引所に関する法整備が行われました。(改正資金決済法 http://www.fsa.go.jp/common/about/20170403.pdf)これにより、仮想通貨の交換サービスを国内で行うことができるのは登録を受けた事業者のみとなります。
現時点(2017年8月5日)において、COMSAの取引所であるZaifを運営しているテックビューロ社は登録をうけていません。

COMSAの懸念点

COMSAを開発するテックビューロ自身が、今回まずCOMSAトークンを売り出します。
COMSAを理解するためには、その売出しのための資料「ホワイトペーパー」を読む必要があります。

しかし、この資料というのがちょっと厄介です。テクニカルな用語を特に説明することもなく用いているので、読むのが非常に苦痛です。そして、現実に実現できていることと、これから実現したい理想の姿がごちゃ混ぜに書いてあり、混乱します。上場企業の目論見書としてはとても耐えられないレベルの文書です。

ただ、現時点では意図的なものなのである可能性があります。

テクニカルな用語とはいっても、この程度の用語を理解できないようでは手を出さないでほしい、という意図が考えられます。また、トークンはあくまでトークンであって、「有価証券」ではありません。したがって、このホワイトペーパーも有価証券を売り出す際に作る目論見書とは異なります。トークンを買うのは「投資」ではないのです。

とはいえ、現在、COMSAはどこまで実現できているのか。どんな機能をいつまでに開発するのか、そういったことが一切書いておらず、それは発行体の姿勢として疑問に感じています。トークンを発行して資金を調達する以上、そこは明記しておくべきだと思います。

COMSAを使ってトークンセールをするためにはどうしたらいいのか?

通常の株式であれば、証券会社を通じて証券取引所に上場を申請します。今回、取引所はZaifという同じくテックビューロ社の運営する取引所になるようですが、ICOの申請に関しても、おそらくテックビューロ社に申請をすることになると思われます。

また、「ICO協議会」というのが合わせて発足されたようです。上場の審査についてはここで行うのかもしれません。COMSAの健全な発展のためには、上述の通り、トークンが有価証券とならないように、また、発行体がトークンに書かれた約束をしっかりと履行できるように監視していく必要もあります。

COMSAに関しては、大きな可能性を感じていると同時に、今後の運営についてまだ不透明な部分も多く、どこまでが夢でどこまでが現実なのか曖昧なので、慎重に様子を見守っていく必要があると考えています。理想は素晴らしいのです。あとは現実をどう追いつかせるか。それを出来るのは誰なのか、なのかもしれません。

また、このエントリーだけでも3,000文字を超えているのですが、ホワイトペーパーに書いてあることの2割も説明できていません。少しでも興味を持たれた方は、一度読んでみられるといいかと思います。

COMSAホワイトペーパー日本語版(PDF)

 

とはいえ、新垣結衣さんがキスしてくれるトークンを売り出すようなことがあったら、全財産を投げ打って更にその倍の借金をしたうえで、買い向かっていく所存でございます。何卒よろしくお願いいたします。

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