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それ、僕が図解します。

世の中のビジネスモデルやいろんなものの複雑な仕組みを、できるだけわかりやすく説明してみたいと思います。主な話題はネットビジネス、不動産、オタクネタ、時事ネタなど。中途半端な説明や、図を使ってないものもあるかもしれませんが、温かい気持ちでお許しください。

携帯電話各社の料金プランがほとんどの人にとって値上げになる理由

 携帯電話各社が新しい料金プランを次々に発表しました。iPhoneがもうすぐ発売になるわけですが、それを控えてのことのようです。各プランの説明をする前に、今回発表になった背景を考えてみたいと思います。

 

 まず、いま携帯電話各社が抱えている課題みたいなのを整理したいと思います。

  1. 3社ともiPhoneを売ることになったので、ハード面でもソフト面でも何の区別もなくなってしまった!
  2. シェアの変化が止まらない!
  3. 音声ARPUの下落に歯止めがかからない!

 1について。これまでは、キャリアの名前が入った端末を作り、プリインストールのアプリなんかで差別化を図る余地もあったのですが、iPhoneに関してはそれがどちらもできません。Apple StoreではSIMロックしてないものも売ってるし。日本のスマートフォン販売台数の7割はiPhoneという調査結果もあるぐらい大人気機種なのでこれはつらいです。

 2は、シェアの変動グラフを見てみましょう。

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 ソフトバンクさんがガンガン追い上げて、auさんの背中が見えてきました。上記のデータにイーモバイルさんは入ってませんが、もしいれたら今年中には逆転もあり得ます。auさんは「振り向けばソフバン」と焦ってるはず。(UQ WiMAXも入っていません)

 しかし、もっと危機感があるのはドコモさんでしょう。

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 ドコモさんが下げたシェアはどこに行ったか?というと、このグラフを見る限りソフトバンクさんですね。ぴったり符合しています。

 

  さて、3の通話APRUの減少について。LINEとかの無料通話アプリせいで通話料収入がどんどん減ってます。というか、そもそもみんなスタンプを選ぶのに忙しいので電話を掛ける暇がありません。どのぐらい下がってるのか、というのがこのグラフ。

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 5年前には3,000円近くあった音声ARPUが、いまや1,500円前後とほぼ半減しています。一方、パケット収入はどうか?というと、横ばいです。そりゃそうです。みんな「パケホーダイ」に入ってるんですから、基本固定料金です。

 これで総合ARPU(合計金額)をV字回復させるにはどうしたらいいか?下がるものは食い止めて、上がる可能性のあるものを伸ばしたいです。すると、「音声APRUはこれ以上下がらないように据え置きたい」「これからもデータ通信量は増えるに違いないから従量課金にして伸ばしたい!」と考えるのが自然です。そこで生まれたのが今回のプランです。

 今回の料金プランのポイント。

  • 通話。国内通話し放題にすることで、たくさん電話する人も、ちょっとしか電話しない人もみんな同じ料金になって高くなる。
  • パケット。みんな使い放題プランに入っていた。これをパケットパックを買わせる方向にして、使えば使うほどお金がかかるようにしたい。

 このためほとんどの人にとって、新料金プランは値上げになります。値下げになるのは、「パケット通信はほとんど使わず、通話も普通の音声通話をがっつり使ってます。しかも、他キャリアとか固定電話が多いっす。LINEは友達いないし、楽天電話、何それおいしいの?」っていう人だと思います。乗り換えが好調だというニュースも流れていますが、意外に、通話時間長い人が多いかもしれないです。

 

 通話については、たくさん電話する人でLINEとかPHSとか工夫してた人は、そもそも国内通話し放題のメリットがうけにくいです。ドコモならXiにねんで基本料金743円プラスISPで1,000円ちょっとの基本料だったのが3,000円に値上がりします。ちょっとしか電話しない人にとっても値上げになるはず。

 そして、パケット代。使い放題で5,700円が各社のプランです。これで7GBまで使うことができ、超えた場合スピードが遅くなるけど料金はかかりませんでした。これからも、そこは同じなのですが、7GBで5,700円といえば1GBあたり814円。それが、5GBで5,000円なわけですから、1GBあたり1,000円。なんと2割以上の値上げです。

 

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 ここで、各社の戦略を見てみましょう。

 NTTドコモ

 普段はほかのキャリアが成功したことを後追いする戦略でしたが、今回初めて「大胆な料金プランを最初に提示する」ということをやりました。ソフトバンクの脅威と、LINEの脅威に挟まれてのことでしょう。長期割引なんかをかなり前面に押し出して「とにかく留まってください」というアピールをしています。実際、ドコモと長く契約している人は、料金的にはソフトバンクに移る意味はまったくありません。

 ソフトバンク

 ドコモと瓜二つ。まったく同じプランです。容量も料金も。ドコモからシェアを奪い続けてきた自信の表れでしょうか。余計なことはしない。料金以外で闘う。そういう意思表示にも見えます。一方、シェアが一番小さいので、「通話し放題」で最もワリを食います。接続料金が悩みの種に。

 au

 基本料金こそ横並びにしてきたものの、パケット料金のところは独自性を出してきました。パケットパックの容量を2GB,3GB,5GB,8GBと、細切れにしてきたところ。足りなくなった時の追加料金の買い増しも0.5GBからできます。ただし、家族とパケットを分け合うパケットギフトも0.5GB単位、と、こちらはちょっと使いにくい印象。

 

 さて、今回、これを書くにあたって調べたのですが、料金はシンプルなのにウェブページが分かりにくい。ドコモさんの1GBあたりの追加料金を調べるのに相当時間がかかってしまいました。なんで料金プランのところに書いてないのか不思議でなりません。料金プランが安くなる例も、使う量がおなじじゃないから微妙に比較になってないし。

 ソフトバンクさんが割引だけが目立つようにして細かいことは細かいところや別ページに書いてあるのはいつものことなので、こちらも分かってみるようになってるのですが、ドコモさんもそういうやり方をするとは、という感じでした。

 

 iPhone6が9月に発売されるといわれています。今回の改定はそれに合わせたものなのでしょう。買い替える時には、多分、新料金プランに変更することが必須になると思われます。変更しなかった場合、本体の割引が効かない、などの手段があると思われます。

 料金プランを変更するには、いま自分がどれだけ使っているか知る必要があります。アンドロイドの場合は簡単ですね。

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 iPhoneの場合、各社それぞれのサイトで確認する必要があります。

 さて、今回、一番言いたいこと、それは、

「NTTドコモさんと、ソフトバンクさんはパケット使い放題プランが廃止される」ということです。割安な現在の料金プランに加入できるのは8月31日までです。人によっては、新しい料金プランのほうが安いこともありますので、今のプランが必ず割安、というわけではないですが、7月、8月に買い替えタイミングが来る人は、ぜひしっかりご検討ください。また、上述の通り、いま入ったプランのまま9月の買い替えが迎えられるとは限らないので、それも注意が必要です。