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それ、僕が図解します。

世の中のビジネスモデルやいろんなものの複雑な仕組みを、できるだけわかりやすく説明してみたいと思います。主な話題はネットビジネス、不動産、オタクネタ、時事ネタなど。中途半端な説明や、図を使ってないものもあるかもしれませんが、温かい気持ちでお許しください。

ドワンゴが入社試験を有料化するって?まったく訳がわからないよ。

就職試験の受験料?

12月1日、就職活動の解禁日となった今日、ドワンゴさんが、2016年の新卒募集に際して、エントリーを有料とすることを発表しました。

新卒入社試験の受験料制度導入について | ドワンゴ

エントリーシートの提出が増えすぎることによる、「内定が同一人物に集中する問題」と、「企業側の労力が掛かり過ぎる問題」の両方を考えた結果、志望者を絞る方法としてこれをとったそうです。

 

気になること

  • 応募者が増えすぎて困るって、それ人事部の仕事だろ。
  • スクリーニングは説明会とか採用ページでしっかり説明することで実施しろよ。
  • 多くの会社が有料にしたら、例えば今回と同じ2,525円でも20社受けるなら50,500円。学生にとっては大金だ。結局、金持ってないといい大学にもいけないし、いい会社にも入れなくなる時代がくるのかよ。

みたいなことは思いました。が、まあ、いろいろやって検討した結果、今年はこれでやってみよう、ということなんだと思います。

 

そもそも「新卒採用」ってどういう競争なのか

企業側が欲しい人材と、そこに行きたいと思っている相思相愛の状態(図中のA)が理想です。人事側はAの最大化を狙ってます。

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一方、Bは入社したいけど欲しくない「ノイズ」。これは来てもらったら困ります。ほんとは、Cの入社して欲しいんだけど興味持ってくれてない人に興味持ってもらいたいのですが、Cは応募すらしてきません。結果、Bの中にいる人から、いろいろ工夫してスクリーニングして、Aを探してました。

 

ところが、ネットの活用によってエントリーが簡易になった結果こうなりました。

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図では1.5倍ぐらいになってますが、実際には10倍ちかく大きくなってるかも。軽い気持ちで受ける人がたくさん増えて、志望者数は増えましたが、志望する気持ちが薄くなりました。一方、採用人数は同じです。結果としてBのスクリーニングにかかる労力がいままでの数倍になっており、効率が格段に悪くなったのです。企業側のスクリーニングも甘くなり、学生側、企業側双方にとって悪夢です。

そもそも、消費者向けのプロダクト(ゲームとか)作ってたり、メディア(テレビとかポータルサイト)とか運営してる会社には、Bがいっぱい来ます。「御社のゲームの続編を考えてきました!」と、手書きのA4ノートを3冊ぐらい持ってくる人とか普通にいます。そういう人たちはファンなので無碍な扱いも出来ません。ドワンゴさんもメディア企業なので、そういう人は多いでしょう。

 

では、どうしたらいいのか

ポイントはCです。C=「欲しいんだけど、興味を持ってくれてない人」に働きかけて、Aになるようにもっていくことでマッチングは進むはずです。実際、「ドワンゴといえばニコニコ動画でしょ?ニコ厨とか興味ないし」と、思って、他になにやってるかとかドワンゴの強みがなんのか知らない人がいます。どうしても興味を持ってくれない人に強要する必要はないですが、違う面を知ってもらったら、興味を持ってくれるかもしれません。

 

で、有料化がそれに資するか?というと、それはちょっと疑問です。Bが薄く広く拡大することには防げるかもしれませんが、「単なるファン」を絞ることは出来ませんし、Cの人たちにこっちを振り向いてもらうことはもっと難しくなりそうです。企業側もCからAへのコンバージョンは一生懸命考えています。だからこそ、一次スクリーニングの為にハードルを上げ過ぎることにはためらいがあるのです。

 

岩波書店さんが、「社員の知り合いに限る」という方針を打ち出して話題になりました。「コネ入社か?」みたいな言い方もされましたが、あれはいいハードルの上げ方だったと思います。編集者に求められるスキルを聞かれてたと思います。

 

ドワンゴさんも、すごい能力をもったエンジニアとかがいれば、学生とか選考過程とか関係なく採りに行ってるはずです。能力が証明できれば、学生はBのノイズとして振り分けられることはないし、企業側も学生側の能力を探る機会をいろいろ持てる方がいいはずです。結局、いまみたいな「12月1日、よ~いドン」みたいな就活は、もういい加減限界にきてるんじゃないかなあと思ってます。じゃあ、どうすりゃいいのか、っていうのは、まあ難しいんですけどね。2,525円取ることじゃないだろうなあ、という気がします。