それ、僕が図解します。

世の中のビジネスモデルやいろんなものの複雑な仕組みを、できるだけわかりやすく説明してみたいと思います。主な話題はネットビジネス、不動産、オタクネタ、時事ネタなど。中途半端な説明や、図を使ってないものもあるかもしれませんが、温かい気持ちでお許しください。

嘘をつくのは仕方ないが、嘘を嘘でごまかしたらそれはいかんだろう、という話。(二重価格とか)

日本全国のホテルでおかしな「誤表記」の発表が相次いでいます。違和感を感じる点をまとめました。

  1. それ「誤表記」じゃなく「虚偽記載」だよね。
    九条ネギと青ネギみたいに見ればわかるものとか、どう考えても虚偽記載だよね。「誤表記」って何?アレルギー物質含んでやつとかひどいよね。事故起きるよ。
  2. 「品質は同じだ」と強弁してるよね。
    特に、リッツカールトン大阪の会見はひどかった。しぼりたてのジュースとパックに詰めたジュースの味の違いは確かに分からないかもしれないが、サービスとしては全然別だろう。コストが下がるからやってるのにそれを認めなかったのも、嘘を嘘でごまかしてる。
  3. ここぞとばかりに後に続いてるよね。
    あとからあとから似たようなケースが出てきてるけど、印象に残るのは先に出た阪急ホテルとかリッツ・カールトン大阪だけで、あとは印象に残らないよね。隠してるよりマシだけど、「この勢いなら言える」っていうのはどうなの?

同じような問題で、楽天の優勝セールでおかしな価格表記があったという話。

まとめはこちら>http://matome.naver.jp/odai/2138355207122579101

これは二重表記という問題ですが、楽天さんはこれに対して「厳正に対処する」と答えています。なぜ厳正な対処が必要なのか、考えてみました。

 

まず、二重価格の定義を正確に図で描くとこんな感じになります。

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要するに、セール前8週間のうち、4週間以上その値段で販売してないと「当店通常価格」とうたうことはできません。(発売から8週間経っていないものは、②の期間が2週間以上必要)「メーカー希望小売価格」や「市価」など、いろんな言い方がありますが、それらもちゃんとした根拠が存在するものでないとダメです。

 

で、楽天さんの値段表示がどうなってるかというと、こんな感じになっています。

 

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(印鑑の東洋堂さんより。楽天市場の価格表記の一例として挙げています。不正表示という指摘ではありません)

店舗側は「通常価格」と「特価」両方の値段を同時に登録することができると思われます。したがって、楽天さんは、「通常価格」で販売している期間が適正な期間あるかどうかシステム的にチェックできる立場にあるわけです。

で、楽天さんの今日のプレスリリース。

http://event.rakuten.co.jp/campaign/news/

「 メールやシステム上での告知など、さまざまな方法で日ごろから重ねて注意喚起を行っております。」

ということです。
システム上、通常価格で一定期間の販売実績が無かったら特価入れられない仕様にするということも可能です。しかし、リアル店舗持ってるところとかは「店ではこの値段です」って言えますし、ちゃんとしたメーカー希望小売価格なら販売実績なくてもOKです。つまり、システム的に打てる手はありません。消費者は常に不正な価格表示を疑ってかかる必要がある、というわけです。

楽天さんは「一部の店舗が、楽天優勝セールに便乗して不正なことをやった」と店舗のせいにするつもりかもしれませんが、消費者には「楽天にはそういう店がある」ということが強く刷り込まれてしまいました。

どうやったら消費者の信頼が取り戻せるのか、は本当に難しいです。 国内のECリーディングカンパニーとして総力を挙げて信頼を取り戻していただきたいと思います。安心してネットで薬買ったりできる日が来るには必要なことだと思います。

 

それにしても、景品表示法とかは、小学校・中学校で必修科目にして毎回の中間期末試験で出題すべきだと思うんです。大人同士だと「まあ、嘘だろうけど、みんなやってるし、オレが安く買えればいいよ」みたいな話にもなりがちですが、こどもから「嘘ついちゃいけないんだよ」と言われたら、これは恥ずかしいですね。

 

明石家さんまさんが、、子供から「どうして嘘をつくの?」と聞かれて答えた名言。

「それは相手に好きになってほしいからや」

 これは真実だと思うんです。でも、だからこそなおさら、ウソがばれたら、そのあとすごい頑張ってフォローすると思うんですよね。おかしなことをやったホテル業界も、いろいろ不透明なことをやってきた通販店舗も、お客さんに好きになってもらうために、嘘をつかずに頑張ってほしいものです。