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それ、僕が図解します。

世の中のビジネスモデルやいろんなものの複雑な仕組みを、できるだけわかりやすく説明してみたいと思います。主な話題はネットビジネス、不動産、オタクネタ、時事ネタなど。中途半端な説明や、図を使ってないものもあるかもしれませんが、温かい気持ちでお許しください。

バスタ新宿の案内は『インバウンド対応』が全くできてない件

今回は、図解はありません。 行ってきた どうでもいい モバイル・IT

 4月4日、新宿の新南口の駅の上に、新たな高速バスターミナル「バスタ新宿」がオープンし、利便性が一気に向上しました。

 新宿は成田エクスプレスやエアポートリムジンのターミナルであり、また、富士山、高尾山、長野、など、他の人気エリアへの移動の起点ともなる重要な拠点です。
 が、その新宿に有る最新施設である「バスタ新宿」が全くインバウンド対応できていないと思ったので、まとめたいと思います。まったくどうなってるんだよ。

日本語と英語の名称がチグハグ!

 愛称が「バスタ新宿」なのですが、英語名称は「Shinjuku Expressway Bus Terminal」です。まだ「バスタ新宿」の名前は浸透してないですが、今後浸透してきたら、海外から来たお客さんに「バスタ新宿に迎えに行くよ」といっても通じません。

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 近隣の地図なんかも「バスタ新宿(高速バス・空港バス)Shinjuku Expressway Bus Terminal」になっています。その愛称本当に必要だったの?「新宿高速バスターミナル」で良かったんじゃないの?混乱するわ!

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 ちょっと見えにくいですが、道路看板の英語表記も「Shinjuku Expwy. Bus Terminal」です。(渋滞している道路上にバスがいっぱい並んでますね。これ、バスの導線悪いせいだと思うんですが、それはまた今度書きます。)

地上階が2階だ

 これは新宿南口をでたところにある横断歩道を渡ったところから撮った写真です。

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 僕が撮ったこの場所、「2階」なんです。いや、たしかに明治通りのレベルからみたらここは2階かもしれないですけど、甲州街道のこのレベルからここが2階ってわかりにくいよね。なんかもうちょっとわかりやすくできなかったんでしょうか。

 「隣の高島屋も同じ所が2階」とか理由になりません。外国人はそんなこと知らないし。「2階、3階、4階」ではなく、「JR Level」「Arrival Level」「Departure Level」とか、目的に対応した表記方法を考えるべき。周りに合わせるだけで「どうやったらもっと利便性が高まるか」を考えない人間が業績を落とすのです!

 この外観も、かっこいいんですが、もっと遠目からみて「あそこでバス、タクシーに乗れそう!」という雰囲気出せないですかねえ。屋根の上に巨大なバス・タクシー型の看板出す、とか。

WEBサイトが全く対応できてない!

 そして、海外からくるお客さんが確認してくるであろうウェブサイトですが、これが全く外国語対応出来ていません!

http://shinjuku-busterminal.co.jp/

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 トップページのファーストビュー。英語、中国語など、外国語ゼロ。

 もしかして、フッターに行くと「English」とか有るんじゃない?と期待しますが、

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 フッターにも外国語ページへのリンク無し。

 途中にメニューが有ります。

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 お、メニューのところにはちゃんと日本語表記と英語表記有るじゃん!

 で、さしあたって、Q&Aをクリックすると、、、

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 日本語のみ。期待させんなよ!とりあえず「外国語のガイダンスはここから電話してね」って電話番号だけでも書いておけばいいんじゃないのかよ。そのぐらいすぐ対応できるだろうよ!

よくアクセスされそうなページすら外国語がない

 観光客がアクセスしそうなページというと、「スマホサイト」そして「アクセスマップ」ですが、、、

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スマホサイトがこんな感じ。レスポンシブなので、PCと同じですね。インバウンド歓迎感ぜろ。

 

アクセスマップ

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 やはりというか、この有様。「赤い四角の場所がバスターミナルなんだろうなあ」と想像はつくものの、日本語が読めないと不安になる地図です。そもそも、4Fって書いてあるけど、建物まるごとバスターミナルなんだから、その表示いらなくない?そこのところに英語表記を書いてあげよう、とか思わなかったの?

 空港行きのバスを探そうと、「路線検索」を開くとこんな感じです。
路線検索ページ

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 成田空港を探す場合、「関東>千葉」を開く必要があります。わかりにくい!そもそも、「成田」「羽田」「大阪」みたいなよく検索される行き先はショートカット置いとくべきでしょう。バスターミナルそのものは新宿西口時代からずっとあるわけで、どこが問合せニーズの高い行き先なのか、よくご存知ですよね???

現地の案内はわりと外国人客を意識している

 さんざん貶してきましたが、もちろん、全く対応できてないわけではないです。現地にいくと、それなりに分かるようにはなっています。

乗り場の行き先表示板

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 英・中・韓に対応していました。(画面は日・英ですが、10秒毎ぐらいに英語のところが別の外国語表記になります)

 あと、観光案内所なんかはとても綺麗につくられていました。(あえていえば、立地は裏側だったので、なんで?と思いましたが)

観光案内所内部(撮影許可もらいました)

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 着物姿のおねえさまがガイドして下さいます。

 バスタ新宿は4月にできたばかりなので、ほとんどのガイドブックはまだ対応できていません!WEBサイトだけが頼りなんです!!いま直さないでいつ直すんですか!!

 ちょっと直すだけでだいぶ変わるんだから、すぐに対応してほしいです。なんなら僕が無料で指示書ぐらい書きますよ。ほんとに。おもてなしのココロで!

米軍駐留費用を「日本が全額支払うべき」なのか?

図解します 社会派ネタ

 ドナルド・トランプ氏が「日本は防衛費を全額負担すべき」という主張をしています。まあ、日本はアメリカに守ってもらっているわけですから、それはそうかもしれません。 

 一方で、先日、日韓の米軍基地コストについて、とても分かりやすい記事がWEB版のWall Street Journalに出ているのを教えていただきました。早速、日本語訳もされています。(有料記事) 

 この内容を参考にしつつ、ちょっとまとめ直してみました。

アメリカが日本に駐留するのにいくら必要なのか?

 武器弾薬なんかの装備のお金に加えて、米軍関係者が約9万6,800人、さらに、日本人2万5,500人が事務員、消防士、医師などとして働いているそうです。これらの人件費と、基地の使用コスト、近隣の騒音対策費用などなどで合計年間102億ドルほどかかります。ざっくり1兆1千億円ほど。

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 うち、米国が負担しているのが55億ドル、日本が負担しているのが57億ドルです。更に、日本は、グアム移転費用など、ときどき追加コストも負担しています。

アメリカにとって日本の軍事費はどれほどのものか?

 アメリカの軍事費の総額は5,830億ドルだそうです(2017会計年度)。なんと日本円換算で64兆円!日本の軍事費の13年分!!これを毎年使ってるとか、勝てる気がしない。。。

 そのうち、在日米軍の年間費用は55億ドルは軍事費全体の0.94%にあたります。

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 小さくはない金額ですが、軍事費全体として見た時には、大統領候補がわざわざ言及するほどのボリュームではないような気がします。

 この馬鹿でかい軍事費を支える米国債も日本はせっせと買ってますしね。年間100億ドル以上も(年による)。

日本は金だけ出してる?

 これまでは、日本は国境の中でしか戦えなかったのを、去年、すったもんだの挙句、自衛隊が日本の国境の外で戦えるようになったのです。

 在日米軍を支援している金額だけではなく、日本が自衛隊を維持するためのお金も、隊員の身の危険も、日米同盟に拠出しているようなものです。ちなみに日本の国防費は5兆円。約450億ドルです。

 集団的自衛権については、同盟国である日本国内で大変な議論になったわけですから、アメリカの方々にぜひ知っておいてもらいたいところです。ほぼ一言で説明済みますし。

そもそも、在日米軍はなんのためにいるのか?

 日本が他国から攻撃を受けないように、受けた時もすぐに反撃できるように。だけではなく、日本を拠点にして、さらに遠くに行くためでもあります。ハワイより東にある米軍の弾薬庫で最大のものは日本にあるそうです。日本より東で戦うときには重要な中継地点になるわけです。つまり、日本の平和、というより、この辺地域一帯の平和です。

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 有名な「逆さ地図」です。日本列島〜沖縄のあたりがなくなると、アメリカにとっては、「太平洋に大きな穴が開く」という感じになります。だからこその「同盟」なわけですね。

 ともかく、冒頭のウォール・ストリート・ジャーナルの記事には他にも興味深い内容がわかりやすくまとめてあるので興味がある方はぜひ読んでみてください。

 英語版は無料で読めるみたいなので、大統領候補であるトランプ氏、ヒラリー氏にはぜひプリントアウトして送りつけたいです。 http://www.wsj.com/articles/q-a-how-much-do-u-s-military-bases-in-japan-and-korea-cost-1461822624

CESAのガイドラインに従ってガチャの記載例を考えるとどうなるか?

モバイル・IT 図解します 経済・経営のこと

 CESAより、現在のアプリゲームなどで行われているガチャでのアイテム取得に関する、確率表示のガイドラインが発表されました。

「ネットワークゲームにおけるランダム型アイテム提供方式運営ガイドライン」制定に関するお知らせ

 

 これがちょっとややこしいので読み解いてみようと思います。

どんなルールか?

 ガチャを提供する場合の確率について、下記のように定めています。少し長いですが引用します。

有料ガチャにおいて、サービス提供会社は下記を遵守する。
【全ガチャアイテム提供割合表示】:提供されるすべてのガチャアイテムの提供割合が分かる表示。
 また、その表示はユーザーが容易に認識できる場所または方法により表示するものとする。
ただし、サービス提供会社は自己の判断において、全ガチャアイテム提供割合表示に十分に相当するユーザ ーの分かりやすさを維持し、加えてそれをユーザーに具体的にかつ分かりやすく説明する場合には、全ガチャア イテム提供割合表示に代えて、以下のいずれかを選択することができる。

  • いずれかのガチャレアアイテムを取得するまでの推定金額(その設定された提供割合から期待値として 算定される金額をいう)の上限は、有料ガチャ1回あたりの課金額の100 倍以内とし、当該上限を 超える場合、ガチャページにその推定金額または倍率を表示する。
  • いずれかのガチャレアアイテムを取得するまでの推定金額の上限は50,000 円以内とし、当該上限を 超える場合、ガチャページにその推定金額を表示する。
  • ガチャレアアイテムの提供割合の上限と下限を表示する。 
  • ガチャアイテムの種別毎に、その提供割合を表示する。

 

 全ての割合を表示するか、もしくは代替する表示方法(4つ)を選択できる、ということのようです。

 実際にどんな表記になるか?

 イメージし易いようにある架空のゲームを考えてみましょう。いわゆる「さんすくみ」を再現した、トータル7枚しかカードがないゲームです。

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 現在の状態だと、上記のように全てのカードが開示されていることは稀で、全部で何種類のカードがあるかすらどうかわかりません。また、一枚一枚のカードの出現比率もわかりません。

 これを今回示された原則の「全ガチャアイテム提供割合表示」で表示する場合、こうなります。

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 これは分かりやすいですね!では、CESAが認めるその他の代替表示パターンの場合、どういった表記になるでしょうか?

代替表示パターンA 推定倍率・金額選択表示

CESAの代替表示の1番目のものです。

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 この場合、上限金額が30,000円以内(A-1)、30,000円を超える場合で、金額表示(A-2 記載例1)、倍率表示(A-2 記載例2)に分けられます。

A-1 記載の必要なし

A-2 記載例1 いずれかのガチャレアアイテムを取得する上限金額は300,000円です。

A-2 記載例2 いずれかのガチャレアアイテムを取得する上限倍率は0.1%です。

代替表示パターンB 推定金額表示

CESAの代替表示の2番目のものです。f:id:rick08:20160428001649p:plain

この場合は、推定金額が50,000円を超えるか超えないかで決まります。上記ではガチャの金額で変化しましたが、実際には倍率と金額の掛け算で決まります。

B-1 何も書かなくて良い

B-2 いずれかのガチャレアアイテムを取得する上限金額は300,000円です。

代替表示パターンC 上限下限パターン

CESAの代替表示の3番目のものです。

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 実は「ガチャアイテム」と「ガチャレアアイテム」は異なります。CESAの定義では「ガチャレアアイテム」は下記のとおりです。

有料ガチャにより提供されるガチャアイテムであって、同一の有料ガチャにより提供される他のガチャアイテムと比較して、顕著な特徴を有するもの、提供割合が低いもの、または提供数や期間が限定されたもの等、顧客を誘引する目的で提供されるものをいう。 

 倍率などで決められているものではありません。なので、どこまでを「レア」とみなすかで変わってきます。
C-1 ガチャレアアイテムの提供割合は1,000枚中1枚〜99枚です。

C-2 ガチャレアアイテムの提供割合は1,000枚中1枚です。

 なお、いずれも、個別のカードの提供割合までは書く必要がありません。わりと事業者の良心に任されている表記方法に思えます。

代替表示パターンD 

CESAの代替表示の一番目のものです。

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D レア度◯◯のカードの提供割合は全体のXX%です。

  種別ごとに表示するパターンです。例えば、ダブルカードの中である程度ばらつきがあったとしても、それはまとめて表示することが許される感じです。実際のゲームの運営においては、常に新しいカードが投入されたり無くなったりするので、総数も提供割合も微妙に変動します。そのときに「このレアリティを持つカードは、だいたいこのぐらいの割合です」という表記をするのは現実的で、運営に即した形なのかな、と、思います。おそらくはこのDパターンに収束するのではないでしょうか。

多分、いずれ、慣れる

 まとめていて感じたことは、「いずれ慣れる」であろうな、ということです。いまは「上限300,000円のカードが含まれています」と言われると、驚いて尻込みし、課金をしなくなってしまいそうな感じが有ります。

 でも、実際には、上限30万円のカードは当たらないにしても、それなりの価値のあるカードは手に入るわけで、ユーザがそれに価値を感じてくれさえすればいいのだ、と思います。「30万のカードは手に入らなかったけど、代わりに手に入れたこのカードも素晴らしい。こいつでライバルに勝つ」って思うんじゃないかな、と。

 そうなったら、上限金額の表示も、単なる「利用規約」なんかと同様、書いてあるけど読まないものになっていくんじゃないかなと思います。

 景品表示法の範囲(クローズド懸賞なら取引価額の20倍)といった上限設定、アイテムのガチャによらない直接購入(定価の設定)、そして何より「表記された確率が正しいかどうかを監査する第三者機関」といったものの導入は今回は無いようなので、実態としてはこれまでと大きく変わらないのかなあ、と思いました。

 

※上記の「記載例」は、いずれもCESAのガイドラインを見て、筆者がこういうことであろうと解釈をして書いたものです。正確さを保証しているわけではありません。解釈に間違いがありましたらコメントなどでご指摘下さい。

iPhone6s のCMの人は本当に飛行機に乗り遅れたのか?

どうでもいい 今回は、図解はありません。 オタクネタ

 最近、妙に気になるCMがあります。iPhone 6sのCMです。

 このCMの中で、飛行機に乗り遅れたわ、と言ってる女性です。

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 この人。

I'm peeking my flight. I'm not peeking my flight. I'm peeking my...wait, I missed my flight.

(拙訳)私のフライト情報をチラ見する、しない、する、ちょっと待って、乗り遅れたわ!

 

 でも、見た感じ、キッチンにいるし、これから出かけようとしてる風でもないし、そもそも飛行機に乗り遅れたのに、全然「やばい!」という感じがしません。

 

 不思議に思ったので、ちょっと調べてみたら、意外なことが。

『乗り遅れたわ!』なんてもんじゃないよ。

 この人の見てるメールです。

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 着信は2016年2月17日 午前2時4分

 フライト情報は?というと

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 ちょっと見えづらいですが、Depart 2/6/16 3:50 PM とあります。2月6日?
 10日以上も前です!乗り遅れてるなんてもんじゃ無いじゃないよ!!

 

 ちなみに、航空便はDL8553で、これは実在する便です。

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 ロサンゼルス発、シャルル・ド・ゴール空港行き、です。

そもそも、メールの本文が気になります。

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 このメールの本文を書き出すとこんな感じです。

Urgent Flight Details: The Fate of the World is in Your Hands

Good Morning Agent Plaza,

 

It is imperative for the safety of the free world that you make your flight.

Please find the detail of your flight into sector 907EE8.

Your contact on the ground is code-named Sparrow.

 

The Password question is "Are your a duck or a flamingo?"

His response should be "Tortoise."

 

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(拙訳)

 緊急フライトの詳細:世界の運命はキミの手に

 おはよう。エージェント・プラザ

 

 世界の安全は君のフライトにかかっている。

 君のフライトの詳細はセクター907EE8で確認してくれたまえ。

 君の地上でのコンタクト先はコードネーム「スズメ」だ。

 

 パスワードの質問は「あなたはアヒル?それともフラミンゴ?」だ。

 かれは「リクガメだ」と答えるはずだ。 

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 一体、何なんでしょう、このやり取りは。

 乗り遅れてますけど、世界の安全は大丈夫なんでしょうか?

 

 この女の人は、女優さんだそうです。もしかしたら、彼女がこれまでに出演した作品に関係しているのかもしれませんが、詳細はわかりません。誰かおしえて下さい!

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Aubrey Plaza - Wikipedia, the free encyclopedia

 

年賀状のテレビCMを振り返る。

今回は、図解はありません。 経済・経営のこと どうでもいい

 今年も年賀状が減り、2016年も昨年同様の30億枚を目指しているものの、これはピーク時よりも12億枚も少ない枚数です。メールの発達や高齢化でこれからも減少に歯止めはさけられないと思いますが、郵便局は歯止めをかけるべく様々な手を打っています。その一つがテレビCMです。ココ数年のものを見てみました。

テレビCM一覧

 年賀状の拡販のため、毎年11月ごろからテレビCMが流れます。

2008年、二宮和也さんほか

www.youtube.com

2009年、櫻井翔さんほか

www.youtube.com

2010年、榮倉奈々さんほか

www.youtube.com

2011年、蒼井優さん

www.youtube.com

2012年、夏菜さん

www.youtube.com

2013年、篠田麻里子さん、柿谷曜一朗さん

www.youtube.com

2014年、ハライチ澤部さん、波留さん

www.youtube.com

2015年、嵐さん

www.youtube.com

 

 蒼井優さん若いーー。

 それにしても、今年は嵐を5人まとめて、です。今、多分いちばん高いCMタレントじゃないでしょうか。一人でも十分高いのに5人て。力の入れようが伝わってきます。

 CMを見ていると、子どもでもなく、老人でもなく、20代から40代がターゲットでしょうか?狙っているのは年賀状を出さない層の掘り起こしだと思うのですが、ちょっとターゲットが広すぎてぼやけた感じにも思えます。この辺りが1億人を対象に30億枚とか売る商品の難しさかもしれません。

 でも、果たして、「嵐も出してるから、私も」って思うんでしょうか?出したらメンバーからお礼が届くわけでもなく、「嵐は嵐。私は私」じゃないでしょうか?嵐のファンの方がメンバーに送るのでしょうか?嵐のCDは毎回50万枚ほど売れますから、それと同じぐらいの人数で、全メンバーに送るとしても、50万×5人分=250万枚ほどの押上効果です。

 興味が無い人、去ろうとする人をマーケティングだけで引き止めるは非常に難易度が高いです。残っている人の満足度を高めたり、新たな人も使いやすいように利便性を上げるなど、目先を変える必要があると思います。

郵便局の年賀状マーケティングを振り返る

 そもそも、年賀状は減り続けています。

www.garbagenews.net

1. インクジェット対応

 年賀状といえば、いまやパソコンで印刷するのが主流だと思います。年賀状はわりと早くから、家庭用のインクジェットプリンタに対応した用紙の年賀状をはつばいしていました。が、これが毎年先に売り切れます。なぜ毎年需要予測を失敗するのでしょうか。郵便局員に枚数ノルマを課していることと関係があるような気がします。

2. 販路拡大

 この季節になると、ターミナル駅やショッピングモールに臨時の年賀状売り場が生まれます。もちろん、コンビニでの発売も。

 ターミナル駅などで見かける即売所ですが、あれは本当に人件費と売上が合ってるのでしょうか?郵便事業はそもそも赤字ですが、仮に年賀状1枚の営業利益が10円あるとして、経費が一箇所あたり2人張り付けで4万/日としたら、一箇所あたり4,000枚/日とか売らないといけません。そんなに売れてるのかなあ。

 コンビニでの発売分はすでに印刷済みの単価が高めのものが多く、年が明けてから「送り洩れ」の人に送るのに使うイメージ。あれも売れているから置いているというより、コンビニで切手を扱うバーターで置いている気がします。

3. mixi年賀状の終了とLINE非対応

 mixi年賀状というサービスがありました。相手の住所を知らなくてもmixiでつながってさえいれば年賀状が送れる、というサービスでした。コミュニティがネット上に移行するのをうまく取り込んだサービスでしたが、2013年、終了します。

 じゃあ、代わりに「LINE年賀状」「Facebook年賀状」をやったかといえば、やっていません。LINEでは「あけおめ」的なメッセージやスタンプ、写真を直接送ることができますが、デコった写真が実際に印刷されて手元に届く、というサービスがあってもいいじゃないかと思います。なんでやらないのかわかりません。

 スマホで送れるアプリまで作っておいて、LINE連携がないのはちょっとなあ、と思います。

yubin-nenga.jp

4.お年玉の景品

 そもそも、現在のお年玉付き年賀状ハガキは、終戦直後に「いまだ通信手段が不十分だが、年賀状を送ることで互いの消息を知らせあえたらいいのではないか?みんなが買ってくれるようにくじをつけよう」という発想で始まったものだそうです。

 その当時は素晴らしいアイデアだったと思うのですが、年賀状が義務感で毎年出す者になり、これだけ懸賞が世にあふれている中、果たしてくじに期待をしている人がどれだけいるでしょうか?

 今年から1等景品が現金10万円になったのですが、ご存知でしたか?そもそも去年までは1万円だったそうです。でも、これ、何枚買ったとしても、一枚も受けとらなければ絶対に当選しないんですよね。果たして売上にどれだけ貢献するか謎です。

5. クリスマスカード市場の無視

 そもそも年賀状は面倒なわけです。「喪中は送らない」「年内に到着してはいけない」「一定の期日までに投函しないといけない」「でも、大きな郵便局に持ち込めばなんとかなる伝説」「来年の干支なんだっけ?」などなど。

 その点、クリスマスカードは楽です。喪中でもいいですし、到着タイミングも12月に入ってから25日ぐらいまでに着けばいいですし、柄もサンタとツリーとトナカイで変わりません。年賀状のような「ちゃんとしないと」感はありません。"Merry Chiristmas & a happy new year"とまとめてしまっても違和感ありません。

 単価を上げることもできます。いま、市場にはいろいろな趣向を凝らしたクリスマスカードが様々に出ています。500円、1,000円するものがザラにあります。

 年賀状は、会社の付き合いで送っている人も多かったことから、定年退職すると、急激に枚数が減少します。それでもやめずに送る人は、相当親しい人や親族などどうしても送りたい人だけです。大切にしたいのであれば、それだけ気持ちの子もっとカードを贈ろう、という文化も作れたはずです。

 封書なら82円か92円で単価増にもなりますし、なんなら郵パックでクリスマスプレゼントと一緒に送ることも出来ます。「面倒な年賀状やめて、新年の挨拶とまとめてクリスマスカード送るほうがいいんじゃない?」という文化を作るチャンスもあったのではないか、と。個人間もそうですし、会社間も同様です。

さて、今年の年賀状はどうしよう

 そういうわけで、今年の年賀状です。残念ながら「クリスマスカードを送る」文化はまだ浸透していないので、今年も出す人は年賀状ということになりそうです。一方で、終了宣言をする人もいるみたいです。

 定年退職すると、年賀状の枚数は激減します。2016年も沢山の人が定年退職するでしょう。一方、子供の数、新社会人の数は減り続けます。年賀状を初めて積極的に出すようになるのが、クラスの好きな子に送りたい、という動機だとすると12歳ぐらいからでしょうから、グラフにするとこんな感じ。

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 結果、今後も年賀状は減少するでしょう。他の通信手段も増えてきた中、郵便局が年賀状にイノベーションを起こすことができるのか?雑煮でも食べながら考えたいと思います。

ふるさと納税の問題点について、まとめてみました。

図解します 社会派ネタ 経済・経営のこと

  税金を納めると数々の「お礼の品」が送られてくることで大人気のふるさと納税ですが、2015年から寄付金額の上限が引き上げられた他、申告手続きも簡単になり、より人気が加熱しています。

 僕も以前に書いたことがあります。その時は納税者にとってお得で、直接的に地域活性に繋がるいい施策だと思っていました。しかし、今年もやろうとしてみて、「お礼の品」を吟味しているうちに妙な違和感を覚えたので書いてみようと思います。

「ふるさと納税」が歓迎される理由

 「ふるさと納税」では大抵の場合、地元の特産品が送られてきます。そのため、下記のような構造になっています。

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 都市部のふるさと納税をしている市民は、2,000円の自己負担で豪華なお礼の品がもらえることでHappyです。地方自治体はこれまで入ってこなかった収入が入ってきてHappyです。お礼の品は自治体が地元の事業者から購入するので、お金が回り、住民サービスも向上することで地方経済にとってもHappyです。このように関係する人全員がHappyになる、というのが「ふるさと納税」が歓迎される理由です。自治体によっては数億円の寄付を集め、昨年度の税収から倍増した、というところもあるようです。

 「自分たちの努力によって税収が増やせる」というのは、地方自治体の人たちにとって、非常にやりがいのあることなのだと思います。

「ふるさと納税」で笑う人、泣く人

 笑う人がいる一方で、泣く人もいます。

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 まず、都市部の市民が本来住んでいるところに払うべき住民税を違う自治体に払うことで、相対的に寄付しなかった市民にかかる住民サービスの負担割合は大きくなります。ここでまず不公平があります。

 地方自治体では、ふるさと納税の品を選ぶ担当者は利権を得ますが、そうでない担当者はただ忙しくなるだけです。

 事業者にとっても、選ばれなかった事業者や、恩恵がなかった公共事業にとっては、地元の税収が増えたのにその恩恵を受けないことになります。人気の品は圧倒的に「肉」ですが、肉牛の産地では当然複数の畜産農家がいます。お礼の品に選んでもらえなかった畜産農家は不公平感を感じるでしょう。

 そして、寄付の出来無い年収の少ない人も影響を受けます。この制度には逆進性を加速させる仕組みがあります。

激しい「逆進性」

 年収300万円の人が寄付できる上限額は31,000円が目安ですが、給与収入が2,000万円ある人は約60万円が目安となります。収入に対する割合としては、1%と3%となり、3倍の開きがあります。

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 年収が増えると、さらにその格差は広がります。

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 年収1億円の場合、年収の4.5%まで寄付の上限が広がります。(この金額目安は総務省のデータを参照しました)

 『年収が多い人ほど、沢山寄付が出来る』という事自体は、悪いことではありません。むしろノブレス・オブリージュとして歓迎されるべきものです。

 まずいのは、これらに対して多額のお礼の品を還元することです。年収1億円のひとがどのぐらいいるのかわかりませんが、こういう人たちを見込んで、100万円とか300万円の寄付金プランを用意している自治体すらあります。まさに、高額納税者の取り合いになっています。

 高額納税者を獲得できた自治体はハッピーですし、出来なかったところは、獲得できるよう、次年度に向けてより過激な還元プランを追い求めるようになります。

 税金は、富の再配分の最も基本的な機能です。そこに対して、4.5倍以上にも及ぶ格差を生み出す仕組みは、税の主要な機能を損ねているように思います。

容易に転売可能な「お礼の品」が沢山ある

 埼玉県鶴ヶ島市には、鉄道模型で有名なKATOの工場があります。その関係で、KATOの鉄道模型セットが「お礼の品」に設定されています。他にもいわゆる「型番商品」を提供している自治体は沢山あります。

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 カメラや鉄道模型を経費として申告できるのは、それらを使った業務をしている人ですが、これらホビーの品をお礼の品としてもらうことで、実質的に経費で買ったのと同じ効果が得られます。

 さらに、型番商品は、Amazonマーケットプレイスやネットオークションで簡単に転売することが出来ます。受け取ったお礼の品を転売することで、税金そのものを取り返すことも出来ます。

 上述の逆進性と含め、年収の多い人ほど、多くの還元を得ることができ、国の制度として疑問を感じる点です。

じゃあどうしたらいいのか?

 一つには「お礼の品」を一切廃止するか、残すとしても寄付金額の10%程度に上限の目安を作ることでしょう。「ふるさと納税」を安定的な財源とするために、継続寄付については上限を緩和してもいいかもしれません。

 また、iPadのように海外企業の商品を提供するのはもってのほかですが、簡単に換金できる型番商品は廃止したほうがいいでしょう。

 さらに、地域通貨や宿泊利用券などを提供する形であれば、高額納税者の方々が実際にその土地を訪れることが増える可能性があります。それは地域経済の活性化に役立つかもしれません。人気アイドルの握手会を開いて、握手券を配るのもいいかもしれません。むろん、転売対策は必要ですが。

 何よりも大切なのは、各地方自治体が、それぞれの地域が抱える課題に対して、どう解決しようとしているのか?そのために、どう財源を確保し、寄付をしてくれる人にどういう貢献をして欲しいのか。それをはっきりとメッセージとして打ち出し、施策として反映することではないか?と思います。

(追記)ふるさと納税については、全国のまちづくりに詳しいまちづくり事業家の木下さんも記事を書いていらっしゃいます。気になる方はこちらもどうぞ。

ふるさと納税ブームに潜む地方衰退の「罠」 | 地方創生のリアル | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

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軽減税率の打開策はこれならいいんじゃないか。

図解します 社会派ネタ 経済・経営のこと

​  消費税が10%上がる際に、一部の商品について税率を据え置く複数税率制度、いわゆる「軽減税率」が導入に向けて本格化しています。僕は複数税率の導入には絶対に反対です。国民に負担を強いておいて何の恩恵もない不合理な制度だからです。その理由についてはここに詳しく書きました。

 が、まだあまり伝わりきってない感じがするので、もう一回だけ、さらに噛み砕いて説明したいと思います。

そもそもなぜ消費税を10%にするのか?

 消費税を10%にする理由は社会保障制度が維持できないためです。消費税が5%の場合の税収は10兆2千億ですが、これを10%にすると20兆円になります。差し引き約10兆円が新たに社会保障の財源にあてられます。

軽減税率が「将来の負担増」を呼ぶ理由。

 軽減税率は「減税」ではありません。

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 社会保障費に必要な金額は同じはずですから、軽減税率で減った税収は他の何かで補う必要があります。仮に消費税で実現するなら、軽減の対象品目以外の商品は10.35%にする必要があります。つまり、今回の軽減税率導入は、将来税率を上げることの伏線になるんです。軽減税率と普通の税率の差が広がるほど、この傾向はより大きくなります。軽減税率を導入したら、今後、税率が上がるスピードが加速することは間違いありません。

今回の軽減税率で負担が軽くなる金額はいくらか?

 一方で、軽減税率により確実に負担が減る部分はあります。

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 月の食費が5万円の家庭(大人2人子ども1人)があったとしましょう。この金額は平均的な食費の支出の半額以下のつましい金額です。12ヶ月で60万円ですから、軽減される税金は1万2千円ということなります。貧困家庭にとってこの金額は決して小さくはないでしょう。これだけ見れば、軽減税率はウェルカム、ということになると思います。でも、そのお金はどこから来たものでしょうか?

お金はどこから来てどこへ行くのか。

 生鮮食料品の税率を8%にする場合に必要な財源の金額は1兆円です(税制調査会による)。現在の日本の世帯数は約5,000万世帯あります。仮に下位2割の1,000万世帯に1万2千円を配ったとしたら掛かる金額は約1,200億円です。

 この差額の8,800億円はどこに行ったかといえば、上位8割の人のところに行ったわけです。必要な社会保障費を削って、富裕層にも等しく給付をする、という政策。それが軽減税率です。

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 過去、国民にアンケートを取ったところ、8割の人が軽減税率制度に賛成だそうです。そりゃあそうでしょう。社会保障に必要な財源から奪い取った一兆円が自分のところに来るわけですから。自分さえ得になるなら、みんなそれがいいよね。

 まさにこの、8,800億が軽減税率によって効率が悪くなっている部分です。1,200億を簡素な給付措置などの方法で貧困家庭に給付する方法をとれば、社会保障費の財源を1兆円も毀損せずに済むはずなんです。でも、8割の人は「俺に金をよこせ」と言ってるんですから、仕方ないですね。

軽減税率で陳情が増える

 軽減税率が始まると「俺達の商品も軽減の対象にしてくれ」という陳情が増えます。これは別に僕が言っていることではなく、軽減税率を推進している公明党さんが言ってることです。

軽減税率制度の課題(公明党)

https://www.komei.or.jp/policy/various_policies/pdf/20150527_seidonokadai.pdf 

 すでに色々な業界、団体が「俺達を入れてくれ」と声をあげています。こういう陳情が増えるだけで、すでに余計な社会コストがかかります。いままで必要なかったパワーがそこに使われることになります。最終的には「社会保障を減らせ」という議論になるでしょう。それでいいのでしょうか?(それはそれで必要だと思うのですが)

 「インターネットでの商取引は軽減の対象にする」とかどうですかねえ。僕はネットで買物することが多いですしー。

財源をどうするつもりなのか?

 軽減税率を実施するための財源について、公明党さんは下記のように書いています。

公明党は消費増税を実施するための法律に低所得者対策の一つとして軽減税率が盛り込まれている点を重視しています。このため、財源は消費増税の体系の中に組み込まれていると考えます。(公明党 税制調査会長 斉藤鉄夫氏)

軽減税率 実現へ前進 | ニュース | 公明党

 少々わかりにくい表現ですが、頑張って解釈をするなら「軽減税率を実施すること自体が社会保障そのものであるから、別途財源は必要ない」ということになるかと思います。

そもそも10%にする意味があるのか?

 「社会保障費として不足する金額があり、それを補うために消費税から20兆円の税収を確保する理由がある。」というのが消費税を10%にする理由です。 一部の物品を軽減するために別途財源が必要ないのなら、そもそも10%にする必要はないのではないですか?余分な税金を取る必要はありません。

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 税収が19兆円でいいなら、税率は9.5%で十分です。複数税率にした場合、事務コストなどで非効率が必ず発生しますので、同じ税収なら実質的に使える金額は一律9.5%の方が多いです。

 貧困層の方だって、食品以外の買い物もします。食費35%、家賃30%、残り35%はそれ以外の支出です。それ以外の支出も10%よりも9.5%の方が助かるに決まってます。というか、食品だけ軽減されても、他の税金が高かったら結局痛税感は減りません。軽減税率はまやかしの「減税」であり、実際にはその他の負担が増えてるだけなのです。

 軽減税率を推進する方は「貧乏人は飯だけ食ってろ。それ以外の支出は贅沢だ」とでも言いたいのでしょうか。

 とはいえ、軽減税率の導入はもう後戻り出来ないところまで来ているようです。どうしても公約を守り、複数税率を導入するのであれば、他を10.35%にする、や、増税その他の方法で、恒久的な財源をしっかり確保してからにすることをお願いしたいです。でもまあ、増税して財源作るより、「10%やめて全部9.5%にします」っていうほうが支持率には効果ありそうな気がしますけどね。どうなのでしょうか。

クチコミ系サイトのコンテンツの質を上げるためには?

図解します モバイル・IT 経済・経営のこと 行ってきた

  「レシピ」や「レストラン」など、ユーザによるクチコミでコンテンツができていく、いわゆるCGM/UGMと言われるメディアについて考えてみたいと思います。

ニワトリが先か、卵が先か。選ぶべきは?

 主要なクチコミサイトの月間訪問者数と投稿件数を推定してみました。

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(月間訪問者数はsimilar web やAlexa、各社発表数値などを参考に独自に推定。投稿件数はGoogleのインデックス数から推定しています。Googleインデックス数なので、「特集ページ」「カテゴリページ」など投稿以外のページも含みます。)

 全体的に、投稿件数と月間訪問者数は比例しているように見えます。こうしてみると、旅行、結婚、就職のような『非日常系』のコンテンツは、それ以外のものに比べると投稿数が伸びず、訪問者数もそれなり、というようにも見えます。一方で、これらのコンテンツは、投稿件数こそ少ないですが、内容は濃いものになっているはずです。だから広告価値も高いのですね。

 質の高いコンテンツには人が集まりますし、人が増えれば、コンテンツも充実します。この二つは常にニワトリと卵の関係です。 その場合、問題になるのは「どちらから先にやるべきか?」なのですが、新規でサービスを考えていく場合なら、当然、質を優先に考えるべきです。ユーザが多くいても、そこにいいコンテンツがなければ結局ユーザは定着しないからです。

コンテンツの質を上げるにはどうするか?

 コンテンツの質と量の向上に関する多項式はこうなっています。

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 「よかった!」「楽しかった!」「感動した!」「もう、最悪!」など、誰かに伝えたい!という想いが心の中に起こった時にコンテンツは生まれます。その熱量が十分大きければ、頻度は少ないかもしれませんがインパクトのあるコンテンツが生まれます。逆に日常的な事柄でも、頻度が高ければ長い目で見るとコンテンツが積みあがっていきます。数があれば、いくつかは面白いものが出てくるものですし、コミュニティも自然発生します。この「熱量」と「頻度」はバランスよく高くなっていくのが理想と言えます。

 ポイントは、多項式になっていること。お金は掛け算ではないのですね。お金が掛け算されてしまうと、「熱量と頻度がどれほどあっても、0円だと何もしない」ということになってしまいます。お金やポイントがもらえるともっと頑張る、という要素は確実にあると思いますが、それがすべてではないのです。

Holidayというサービス

 Holidayという「おでかけプラン」を簡単に作れるまとめサイトがあります。

 そのHolidayさんのイベントがあるというので、行ってきたのですが、そこで、「熱量と頻度」について参考になる話がありました。

 イベントには高橋真麻さんも来ていました。

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 高橋真麻さんも2つプランを作ったそうです。

 1個め。新婚旅行のイメージらしい。

 2個め。こっちはリアルに回ってみたい。

 こういうイベントにブロガーとして初めて呼ばれたので、ちょっと嬉しかったです。運営者に直接話が聞けたし、芸能人も見れたし、イベントはいいですね。

 

 さて、外に出かける、という切り口なら、旅行サイトの4travelがあります。 「旅行」は確かに特別感があり、熱量としては十分です。一方で、多くの人にとっては頻度は限定的。4travelみたいに旅行に特化したサイトだと、メインの活用は旅行を検討する時、ということになるのでしょう。(もちろん、コミュニティとしての熱量も十分にあるサイトですが。)

 Holidayでは熱量の高い「特別な旅行」と頻度の高い「普段の休みの日」の両方をカバーしようとしているんだなと思いました。うまく行けば、日常と非日常を上手にブリッジできるかもしれません。

熱量の上げ方

 Holidayさんでは、「Holidayワークショップ」というのを不定期に開催しており、自治体などと連携して全国各地で、街歩きと、実際にプランを作ってみる、といったイベントを実施しているそうです。

 当日、その場に来ていた、Holidayコミュニティマネージャーの谷さんによると、ワークショップに参加されるのは、地元愛のある一般の方で、ワークショップに来て始めてHolidayを使う人も多いとか。地元の魅力を知ってほしい、という思いで作るので、ワークショップのあとも継続的にプランの登録やフォトレポ、コメントなどのアクションをしてくれるそうです。

 僕もHolidayでプランを作ったことがあるんですが、実際に作ってみると、それなりに手間がかかりました。なので、ワークショップとかでインフルエンサーの人たちを捕まえて、そこからコミュニティを広げていくような形が、ピッタリ合っているのかもしれません。

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 コミュニティーマネージャーの谷さん

 ちなみに、谷さんは新卒2年目だそうです。こんなかわいい子が来て、「ねぇ。休日のプラン、考えてくれた?」って言われたら、そりゃ熱量もあがるよね。(下衆)

  

 もちろん、世の中には「引っ越し」や「カードローン」のように、熱量は全然高くないし、頻度も決して多くはない、というサービスもあります。そういう場合、必要性に対して答えを出すようなサービス設計になりますが、何らかの形で「熱量」と「頻度」があるコンテンツと連携をしていくと、何か違ったブレイクスルーが生まれるかもしれません。

 コンテンツの質と量、ということでいえば、『はてブ とnanapiどっちがクソか』といった軸でも整理してみたいですが、それはまあ、要望があったらやろうかと思います。

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キュレーションメディアは課題解決の方向を目指した方がいいと思う。 

ミュゼプラチナムさんの『真の売上』を推定してみたら背筋が寒くなった。

  脱毛サロンの『ミュゼプラチナム』を運営する株式会社ジンコーポレーションさんの経営がいよいよ怪しい、ということで話題になっています。記事の中でいろいろわかってきた数字があるので、真の売上を推定してみました。あくまで僕の想像です。

  • 広告費は月10億
  • その年に売れたチケットは、未使用でも全てその年の売上に
  • その結果、会員の未使用チケットは簿外債務となり、現在5百数十億
  • 黒字出してるし役員報酬も高い
  • 子会社をいっぱい作っている
  • 予約は取りづらい。(3−4ヶ月先がザラ)
  • 通常の施術は16万円全8回、など。全部終わるには2年以上かかる計算。
  • 脱毛チケットの払い戻し期限は最後の施術から2年間

売上と利益はどのぐらいあるのか?

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 まず、帝国データバンクさんなどから参照した売上・利益データです。8月決算なので平成27年はまだわかりません。これより伸びてるかもしれないし、短いかもしれない。

損益分岐点を推定してみる

 上記の売上・利益と、記事などで書かれている数字を元に、損益分岐点を計算します。変動費率を知る必要があるのですが、実際のところ、費用の大きなところは賃料・人件費のはず。それは拠点が増えればほぼ自動的に決まる固定費。あとは、銀行への利払いや、機器の減価償却などもあると思いますが、これも固定費。変動費率は甘めに見て25%と想定。

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 なんと、甘めに見ても損益分岐点は350億円。結構高いですね。広告費を削減すれば、その分下がりますが、『その年売れたチケットは、未使用でも全てその年の売上に』という恐ろしい会計方針のせいで、広告費を掛けて新規会員を募集し続けなければ、売上がゼロになってしまいます。(なので、広告費は本来変動費ですが便宜上固定費に入れてます。)

ミュゼプラチナムの真の売上

 予約が毎回3−4ヶ月先ということは、4回以上のチケットなら消費に12-16ヶ月以上かかりますから、売れた初年度はほぼ必ず未使用チケットが残るのですね。(売れ線は6-8回のもののようです。)

 この会社の「真の売上」を知るには、買った年度がいつにせよ、今年使った分だけが、真の売上となるはずです。図にするとこんな感じ。

 

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 未使用分の合計が5百数十億。H.25、H.26の売上は300億円台ですから、真の売上は、公表されている売上のざっくり6割ぐらいではないでしょうか。200億円/年ぐらい。

 仮に真の売上が200億だとしたら、損益分岐の350億にはどうしたって届きません。つまり、真っ赤っ赤の会社、ということになるのですね。なんでこんなになるまでほっといたのでしょうか。

とにかくバカバカしい

 未使用チケットは最後の施術から2年以内だと解約返金出来る、ということなので、会社にとっては負債です。なのにこの会社は売上にあげちゃってるんですね。その結果、利益が多く上がっており、その分の税金まで払っている始末です。

 なので、いざ会員さんから返金をお願いされると、過去に払った税金分などは会社が負担して払い戻さなければなりません。もちろん税金が戻ってくることなどありません。お金を払って借金して税金まで払ってる状態。なんでこんなバカバカしい会計基準にしてるのでしょうか。全く意味がわかりません。

 きっと、売上規模を大きく見せて、広告会社の審査とか、銀行の借入とかをスムーズにするためなのでしょうね。消費者の方への不利益が最小限になることを祈っています。

 上記はあくまで僕の想像なので、間違ってる所はあるとおもいますが、それにしても杜撰です。経営者の方は高額な報酬をもらって競走馬まで買ってたらしいです。自業自得ではありますが、私的整理に入るということはケツの毛までむしられるのでしょうね。脱毛サロンだけに。。。

 

※訂正:チケットの返金期限は「最後の施術から2年間」でした。

読書が苦手な人にありがちなこと

図解します 読んでみた

 本を読むのが得意な人、苦手な人がいます。苦手な人に本を読む時にどうやっているか聞くと、「やっぱりなー」と思うことがあったので、まとめたいと思います。

 なお、これは、ビジネス書やマニュアルその他実用書に関する話であって、小説などはもちろんこの限りではありません。本は早く読めばいいというものでもないので。

読書が苦手な人は「目次・まえがきを読まない」

 本を作るときは、普通、目次から作ります。筆者が言いたいことが一番コンパクトに纏められているのはまさに「まえがき・目次」なので、ここは最低3回読みましょう。それで、その本に何が書かれているかを想像するのです。僕にとって読む作業は「答え合わせ」の感覚です。

読書が苦手な人は「最初から読もうとする」

 目次を読んだら、次に、自分にとってその中のどこが一番面白そうか?を決め、他の章はすっとばして、まずは面白いところに直行します。そこからその直前・直後の章へ移動するといった形で「読み広げ」ていくのが自分にとって必要な知識を早く楽しく得る方法だと思います。

読書が苦手な人は「全部読もうとする」

 とにかく辛抱して、全部読もうとします。面白そうと思ったところに直行して読んだ場合、仮にそこがおもしろくなかったとしたら、その本は面白く無いか、その本が自分にとってまだ早い、ということです。いずれにせよ、それ以上その本を読む意味はあまりありません。その本のことは一旦忘れて、今の自分にとってより有益な本を探しましょう。

読書が苦手な人は「2回読まない」

 1回めは自分の好きなように読みますが、どちらかというと「ざっと目を通す」に近い読み方になります。それで大まかな内容を頭にいれたら、今度は前から順番に精読していきます。このときは付箋を貼ったり、ラインを引いたり、メモを取ったり、と、丁寧に読みます。全体を俯瞰した内容が頭に入っているから、この作業も無駄なくやることが出来ます。丁寧に読んでおくと、次は目次を見ただけで、どんな内容が書いてあったか思い出せるようになり、3回め、4回めの読みを効率的にできます。

読書が苦手な人は「『参考文献』を見ない」

 本は先人達の知恵の結晶です。今、新たに出される本は、ほとんどがベースに何らかの知識体系があります。それが記載されているのが「参考文献」です。「参考文献」のない本は、フィクションか、自叙伝か、霊が降臨して書いたようなものです。

 しっかり参考文献を確認し、できればその中の数冊は読みましょう。全く関係性の無い本をいろいろ読むより、参考文献つながりで読んでいくほうが意味がわかるのが早く、深くなります。

読書が苦手な人におすすめの読み方

 上記に書いた「読書が苦手な人にありがちなこと」の反対をまとめると、こんなかんじの読み方になります。

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  1. まず「まえがき・目次」を熟読
  2. 一番オモシロそうなところに直行
  3. その回りを読み広げていく
  4. 参考文献をチェックする
  5. 2回めは最初から精読する

 と、いう感じです。読書が得意な人がみんなこの読み方をしているわけではありません。苦手だけど、本を読んで理解するスピードを上げたい、と思っている人はぜひ一度試してみてください。

このエントリーの参考文献

 とはいえ、本を手にとって、まえがきと目次を読み、しっかりと考えた上で、「これは最初から読もう」という本もあります。面倒な能書きが一切なさそうな本、順序立てて説明している本、最初から最後まで面白そうな本。 

 例えばこの本。すでに古典ですが、何度読んでも発見があります。読むと、頭の中がスッキリした気がします。実は上の図もこの本に出てきた図に着想して書いてたりします。

イシューからはじめよ ― 知的生産の「シンプルな本質」

イシューからはじめよ ― 知的生産の「シンプルな本質」

 

 読書するときもその本のイシューは何かを考えてから読むのがいいんじゃないかな、と思っています。